サブタイトルは自己組織化のポテンシャル
プリゴジン(I.Prigogine)は、開放系においてエントロピーの排出が達成されることが遠平衡で観察される自己組織化の駆動力であると考え、散逸構造と呼んだ。
しかし実験家からは散逸構造とは異なる自己組織化原理として自己集合が認識され、両者が時間とともに交代することで自己組織化が達成されると言う見解も打ち出されている。
解の爆発
そしてこの2つの性質が、解の爆発現象において階層の循環を実現させる駆動力となる。
実際、スモルコフスキー・ポアソン方程式が調和熱流と大きく相違するのは(自由)エネルギーが非負定値でないことである。
解の爆発は、点渦の平均場運動であれば乱流から秩序が形成される状態、細胞性粘菌であれば胞子が形成される過程を表していると考えてもよい。いずれにしても秩序構造や自己組織化に関わる現象である。
爆発集合
上述したように\(T \in (0,+ \infty]\)はその最大存在時間である。
この現象を粒子密度uで記述すれば、\(\overline{\Omega}\)上の測度の空間\(\mathcal{M}(\overline{\Omega})={\mathcal{C}(\overline{\Omega})}^{\prime} \)を用いて次のようになる。
collapseの量子化を見ます。これは自然界ではありふれたことなのかもしれませんが、驚きです。
concentration compactness principleとは何ですか。
この性質を階層的に用いて議論する。すなわちコンパクトのときは定理2.6(弱リュービル性)、vanishingのときは定理2.11(スケール不変な\(\epsilon\)正則性)を用い、dichotomyでは最初の塊をコンパクトとみて、残りの塊に同じ原理を適用する。
なかなか話がつながりません
なかなか話が繋がりません。証明をもう少し理解できたらいいのに。例えば、優収束定理が頻繁に使われているなら、優収束定理を覚えていれば十分なのですか。
弱スケール極限の方法では有限時間爆発解に対し後方自己相似変換を行い、定理2.5(有界列の弱コンパクト性)を適用して爆発機構を解析する。
定理2.1と次の定理によって\( \lambda = 8 \pi \)が\(T=+\infty \)であるための閾値であることがわかる。
これらの要請は、直積測度を拡張した作用素(multiplicate operator)の正値性と、その直積測度とのリンキングによって実現する。
前者、すなわち変分構造は2つあり、質量保存と自由エネルギー減少に対応する。
弱リュービル性とは何ですか。
本書上巻第2章で述べたように、爆発解析は
- モデルの(本質的)スケール不変性
- 階層的議論
- スケーリングされた解の遠方挙動の制御
- スケール極限の分類
の4つの要素から成り立っているが、最終的にはスケーリング極限の分類が解の在り方の大枠を定める。通常この部分をリュービル性という。
次の補題は、residual vanishingのもとで無限時間で発生する極限測度はハミルトニアンの制御を受け、本書上巻で述べた循環的階層が動的な意味で成り立つことを示している。
循環的階層とは何ですか。
空間均質化とは何ですか。
エントロピーが存在するときはコンパクト軌道は空間的に均質化する。
放物包は仮想的な領域で、後方自己相似変換に付随する、無限に広い放物型領域を示す。
境界爆発の排除の証明の中で、放物包から優収束定理に繋がっています。
2次形式部分の歪対称性から弱形式と単調性公式が得られ、有限時間で爆発した場合にはcollapseの形成、放物型包、弱スケール極限と議論を進める。最後に2次モーメントを用いると、弱スケール極限が自明でない解をもたないことがわかり、矛盾が得られる。同じように、無限時間爆発も起こりえないことを示す。
非平衡熱力学のモデリングでは系の状態を連続的に記述するオーダーパラメータ(相)と温度などの物理量をリンクさせた自由エネルギーを導入し、しかる後に熱力学の法則と両立する時間発展の基準を与える。これの基準は開放系ではモデルA、閉鎖系ではモデルBであり、前者では第2法則、後者ではそれに加えて第1法則が実現されている。
トーランド双対です。
最初に走化性フルシステム(8)におけるトーランド双対を取り上げ、場と粒子の双対性がモース(Morse)指数にまで及んでいることを示す。
次に凸解析の枠組みでトーランド双対を抽象的に構築し、場と粒子の変数に関する臨界点の対応と、成分ごとの安定性が成り立っていることを確認する。
しかし非平衡熱力学や理論生物学のモデルでは、クーン・タッカー双対の歪ラグランジュ関数に直接当てはめることはできない。
詳しい計算をいつ見ますか。
次に、この変分汎関数とリヤプノフ関数との間にセミ・アンフォールディング・ミニマリティという性質が働く。その結果、成分ごとの安定性が実現され、特に解析的な非線形項のもとでは、変分汎関数の極小となる相は力学安定となる。
もう1つの論点は、モデルAでもモデルBでもないとされ、モデルCと呼ばれてきたモデルに関するものである。
つながり始めました
大枠がつながり始めました。大枠がつながれば、詳しい計算が始まります。
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