Bäcklund変換を理解するためにKdV方程式を例に考えます。
$$ \frac{\partial u}{\partial t} + 6u\frac{\partial u}{\partial x} + \frac{\partial^3 u}{\partial x^3} = 0$$
KdV方程式のBäcklund変換は次の関係式で表されます。
$$\frac{\partial w}{\partial x}+\frac{\partial w^{\prime}}{\partial x}=-2\eta^2 + \frac{1}{2}(w-w^\prime)^2$$
$$\frac{\partial w}{\partial t}+\frac{\partial w^{\prime}}{\partial t}=2\left\{\left(\frac{\partial w}{\partial x}\right)^2+\frac{\partial w}{\partial x}\frac{\partial w^{\prime}}{\partial x}+\left(\frac{\partial w}{\partial x}\right)^2\right\} – (w-w^{\prime})\left(\frac{\partial^2 w}{\partial x^2}-\frac{\partial^2 w^{\prime}}{\partial x^2}\right)$$
KdV方程式の自明な解から新しい解を作ってみたい。
Bäcklund変換を簡単な例で実行してみたいと思います。自明な解\(w^{\prime}=0\)をBäcklund変換の関係式に代入して、新しい解\(w\)を求めることを考えます。代入していると以下の式になります。
$$\frac{\partial w}{\partial x}=-2\eta^2 + \frac{1}{2}w^2$$
$$\frac{\partial w}{\partial t}=2\left(\frac{\partial w}{\partial x}\right)^2 – w\frac{\partial^2 w}{\partial x^2}$$
一つ目の式を\(x\)で微分すると
$$\frac{\partial^2 w}{\partial x^2}=w\frac{\partial w}{\partial x}$$
これを二つ目の式の第2項に代入すると、
$$\frac{\partial w}{\partial t}=2\left(\frac{\partial w}{\partial x}\right)^2 – w^2\frac{\partial w}{\partial x}$$
これと一つ目の式を使って\(w^2\)を消去すると、
$$\frac{\partial w}{\partial t}=2\left(\frac{\partial w}{\partial x}\right)^2 – 2\left(\frac{\partial w}{\partial x}-2\eta^2\right)\frac{\partial w}{\partial x}=4\eta^2 \frac{\partial w}{\partial x}$$
ここで変数変換
できた微分方程式の形から\(f(z)\)をある一変数関数として、\(z=x-4\eta^2 t\)を代入すると、
$$w=f(x-4\eta^2 t)$$
となりました。これをBäcklund変換の一つ目の式に当てはめると、
$$f^{\prime}=-2\eta^2 +\frac{1}{2}f^2$$
となりました。
無事新しい解が作れず
これは調べてみるとRiccatiの微分方程式だから解けるのではと、思いました。
でも、書籍などで確認できるRiccatiの微分方程式の形と1-ソリトン解の形は、違うように見えます。計算を進めているうちに、不安になってきました。自明な解から1-ソリトン解が作れると思っていたのですが、どうも雲行きが怪しいのです。リッカチ型の微分方程式が現れましたので、解くことはできそうですが、その解が1-ソリトン解のようには見えないのです。どこかで計算を間違ってしまったのか、そもそも理解が間違っているのかは分かりません。
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