和達三樹著「非線形波動」を読みました。量子逆散乱法とは何だったのでしょう。
古典論での逆散乱法にならって、QNLS模型に対して、次の補助線形問題を付随させる。
そんな都合良くできるのですね。
(7.18)の初めの式\([H,A(\lambda)]=0\)は、QNLS模型が無限個の保存量を持つことを示している。
これは古典論と同様です。
その他覚えておく言葉として、Jost関数、因子化された散乱行列。
古典論においてJost関数とは何でしょうか。
補助線形問題の解がJost関数で、Jost関数の係数が散乱データ演算子です。散乱データ演算子を割り算すると、反射係数です。
量子逆散乱法の意義をまとめてみよう。
- 古典系に対する逆散乱法が量子系にも適用できることがわかり、古典論と量子論が同じ定式化で議論できるようになった。
- 散乱データ演算子のみたす交換関係を用いることにより、場の理論や量子スピン系の模型に対して、Bethe仮説法を代数的に扱えるようになった。
- 以後の節で示すが、交換する転送行列は、統計力学における解ける模型に共通な性質である。このことと、(7.95)をまとめると、解ける模型の背後には、「交換する転送行列」という概念が共通していることがわかる。
散乱データ演算子と散乱行列は似たような響きだけど、違うものらしいです。転移行列と転送行列も違うらしいです。
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