小暑の候、夏の青空がまぶしい季節になりました。

食材を買いに近所のショッピングモールに来たのだが、食材売り場に直行せず、同じショッピングモール内にある本屋に立ち寄ることにした。話題の書籍を確かめるためだ。ところが本屋に向かう途上で、ティッシュを配っている若い男性がいた。サンプリングだろう。無視したら罪悪感を持つだろうか、という思いが頭をよぎり、差し出されたティッシュを受け取ってしまった。

そして、スマホについて聞きたいことがあると言われ、近くにある店舗まで案内された。

テーブルのある椅子に座らされ、まず現在のスマホの契約内容とともに保有するポイントを確認された。驚くほどたくさんのポイントが貯まっていたようで、「早くポイント使ってくださいね、おとうさん」と言われた。

続いて、スマホについての希望を聞かれたり、契約内容の変更についてのいくつかの選択肢を提示された。「とりあえず、お見積もりをしてもいいですか、おにいさん」と言われた。

呼ばれ方が、おとうさんからおにいさんに変わった。

見積もりの内容は悪い話ではなかったのだが、「いい話でありがたいのですが、考えさせてください」と即答を避け、席を立った。ふと、もらったティッシュを見ると、透明の袋にティッシュだけが詰まっていた。

広告チラシは入っていなかった。

その後、本屋をひと巡りし、本来の目的だった食材を買って、自宅に戻った。

話題の書籍が、前回本屋に来たときから変わったみたいだ。本屋の目立つ位置に置かれた書籍が、別のラインナップになっていた。

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